世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


グレンドロナック シングルカスク バッチ14 26年  26年  54.8%

  • 蒸溜所名: グレンドロナック蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • ブランド: ベンリアック・ディスティラリー・カンパニー
  • 価格帯: -181
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:144号

ローラ・フォスターSCORE8.5

香り
ダークチョコレートキャラメルを噛み、シャモア革を見せつけながら、たっぷりとニスを塗ったマホガニーの食器棚に向かって歩いている。すると傍らにはフルーツボウルがあり、完熟のハニーデューメロンが入っている。
唾液を誘う口当たり。柔らかいキャラメルに、クルミとアーモンドを散らしたチョコレートプディング。青唐辛子のような野菜特有の風味と、山椒の感触。革のニュアンスも増えている。
フィニッシュ
皮革の匂いがあり、ドライでやや土っぽい後味。抽出後のエスプレッソコーヒー粉を思い出す。この風味が消散すると、バナナパンの風味に包まれる。
コメント
満足度の高いウイスキー。深みのある皮革とチョコレートの風味があり、トロピカルフルーツの要素がバランスをとっている。

マーク・ニュートンSCORE7.9

香り
イチゴジャムの香りが強い。レーズンと乾燥イチジク。メープルシロップ。スポンジケーキとカスタード。レーズン。鉛筆の削り屑。心地よいが、一面的でもある。
香りで感じた要素が、予言のごとく舌の上でも再現される。ソーテルヌワインに、ブラジルナッツとナツメヤシの風味が加わる。木の要素が現れ、トフィーとかすかに段ボールの感触もある。
フィニッシュ
わずかに金属的なエッジが忍び込み、苦味とコショウの効いた木のフレーバーに受け継がれる。
コメント
心地よいウイスキーだが、やや一面的な印象もある。このタイプが好みの人なら、大好きな1本になるだろう。

グレンドロナック シングルカスク バッチ14 26年1990  26年  50.8%

  • 蒸溜所名: グレンドロナック蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • ブランド: ベンリアック・ディスティラリー・カンパニー
  • 価格帯: -181
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:143号

ローラ・フォスターSCORE9.0

香り
まずはフルーツケーキがご挨拶。ブラジルナッツ、クルミ、歯ざわりのよい赤いフルーツ(特にクランベリー)。ナツメグ、ショウガの粉末、オレンジの皮、デメララシュガー。おまけに木のつや出し剤。
おいしい。あの赤いフルーツが強調されたおいしいフルーツケーキを食べながら、同時によく磨かれた木製の食器棚を舐めている感じ。甘くておいしいスパイスがある。
フィニッシュ
ダークチョコレートがオレンジといっしょに駆け抜ける。
コメント
おそらくヨーロピアンオークで熟成されたものだと推測している。今号はアメリカンオークのウイスキーが多いなかで、ひときわ印象的なウイスキーだった。だがそんな状況を抜きにしても、見事なウイスキーであることに違いはない。

マーク・ニュートンSCORE9.0

香り
海鮮醤、プラムのジャム、バルサミコ酢。コーラ漬けにしたフィグロール。ブラックベリーに、苦いチョコレートとコーヒーのかすかな香り。ラズベリーのクーリ。糖蜜。目まぐるしい香り。
驚くほど舌にまとわりつくが、タンニンの強さはそれほどでもない。カシス、乾燥イチジク、レーズン、ナツメグ、アーモンドオイル。ティラミス。またもや糖蜜風味があり、ダークチョコレート、チコリ、プルーンの感触を伴っている。心はいつしかボルドーへ。
フィニッシュ
余韻は長く、濃厚でオイリー。好ましい意味でのカビの匂い。
コメント
夜を締めくくる最後の1杯に最適なウイスキー。愛しき闇よ、こんにちは。